指導

こんにちは。

 

前回、型稽古の話をしましたが、今日は指導ってどうしたらいいんだろうということを書きます。

 

今まで読まれた方はおわかりかもしれませんが、何か答えが出てくるわけでなく、こんな疑問を持っているというだけなのでお許しください。

 

私は部活では先輩という立場で、後輩の指導をしなくてはいけないのですが、どうすればいいのかいつも悩んでいます。

 

初めのころは、教えられることはできるだけ教えたいと思っていました。

しかし、私の合気道歴というのは大学から始まったものですから、何が正しいのかも迷うところが多々あります。

型の外見だけなら教えられますが、型にはそれ以上の意味がありますし、型を正しく正しく行うのはなかなか難しいのです。

 

そのため、正しいことを教えられるというのは諦めました。

では、どうすればいいのか?

 

何も言わない方がいいのか?

たしかに間違えたことを言って混乱させるのはよくないですが、間違った動きをしているのに指摘しないのも適切でない気がします。

 

一方で、間違えたことを教えてしまうとより取り返しのつかないことになりかねません。 

 

結局、自分の意見は正しいとは限らないという前提に立ち、自分はこう考えているけど、取り入れなくてもいいよというスタンスをとるようになりました。

言い訳っぽくなってしまい、話が長くなりがちという問題はありますが、難しいところです。

 

なぜこういうスタンスを取るようになったかというと、もちろん、間違えたことを教えてしまう怖さというのもあるのですが、それだけではありません。

 

僕自身、先輩であると同時に後輩でもあり、先輩方にご指導いただく機会もあります。

今は最上級生のため、そのような機会は多くはありませんが、先輩がいる頃は稽古をつけていただいていました。

 

ただ、自分の技量が上がるにつれ、正直言うと、先輩の技がかからない、その解釈はおかしいんじゃないかという場面が出てくるのです。

 

技量のある方であれば、私も頑張って抵抗して、それにどう対処するかを感じることで学ぼうとするので、私も一生懸命、技をかけられないよう頑張るのですが、正直大して技量のない方相手にそんなことをしても時間の無駄なので、かかっているフリをすることもあります。

そうすると、大したことない方の側から見ると問題なくかかっているということが往々にしてあります。

そういう方に限って、大して深く考えず練習してるので、浅い小手先のテクニックを教えてくださるのです。

 

それも無意味とはいいませんが、正直いうと、でも、あなたの技は全然利いてませんよと思ってしまう。

 

まあ、個人的には、そういう方のおっしゃることは無視すればいいだけで、合気道の稽古は、後輩が先輩のところに付きに行き(教えを請いにいく)、グループを作って稽古するのですが、そういう方には付きに行かないようになったので、実害はないのですが、後輩がもし素直な人間なら、そういうご指導に振り回されることもあるわけです。

 

そして、自分もそういう迷惑この上ない先輩になりうるのです。

ですから、これが正しい、こうするべきということは言いたくない。

これが間違っているということも言いたくない。

 

しかし、このような方法はとにかく長くなりがちです。

まわりくどくなりますし、どういう背景があってこのような考え至ったのか、さらには他の考え方としてどういう考えがあるのか、なぜその別の考え方でなく、この方法をとっているのか…といったことを説明することになりかねません。

 

でも、スポーツなどをやったことがある方ならわかると思いますが、体をとりあえず動かす方が、身につきやすい。

 

ここで、また迷いが生じます。

結局、ごちゃごちゃ言うより、何も言わないほうがいいのではないかと。

ただ、何も言わないというのは、何もしないのではなく、ヒントとなるようなことはすればいいのではと。

 

今は、後輩の技が利いていなければ、多少抵抗しつつ、相手のレベルに合わせて、これくらいならいいかというレベルになるまで抵抗を続けるようにしています。(誰に対しても全力で抵抗していると、うまくいかないということしかわからず、どうしたらよいほうに近づいているかもわかりにくいので、それもよくないので。)

 

そして、相手の気づきのレベルに合わせて、ヒントとなることを少し言ったり、自分が技をかける側のときに、相手ができていない部分を意識して技をかけてあげたりというようにしています。

 

もちろん、相手のレベルにもよります。

1,2年生は、自分で気づくというようなレベルにはまだ達していない人もいますし、そういう場合は、うまくいかないと諦めてしまうこともあるので、塩梅が難しいところです。

 

今のような方法をとるようになってから、より後輩のことをよく見るようにはなったと思います。

どういうところができていないかということだけでなく、その人の性格なども細かく観察した上で、指導しなくてはいけないということを体感するようになりました。

 

ただ、今のやり方も、もしかしたら、正しくないと感じるときが来るかもしれません。

私は、いまだに迷いの中にいるのです。

 

指導というタイトルなのに、合気道のことばかりでしたが、合気道以外の指導についても当てはまることはあると思います。

 

自分での気づきに勝る学びはないのではないでしょうか。

それを引き出すための手伝いをすることしか、周りにできることはないのかもしれません。